袈裟功徳(24)

鄔波離(ウバリ)、復(マ)た世尊に白(モウ)して曰(イワ)く、「大徳世尊、幾種(イクシュ)の僧伽胝衣(ソウギャチエ)か有る。」
仏の言
(ノタマ)はく、「三種あり、謂(イワ)く上中下なり。上は豎(タテ)三肘(サンチュウ)、横(ヨコ)五肘(ゴチュウ)。下は豎二肘半、横四肘半。二の内を中と名づく。」

鄔波離は、また世尊(釈尊)に尋ねました。「世尊よ、ソウギャチ衣の種類はいくつあるのでしょうか。」
仏(釈尊)は答えて、「ソウギャチ衣には上中下の三種類がある。上は縦の長さが三肘(肘はひじから中指の先までの長さ)で横の長さが五肘、下は縦が二肘半で横が四肘半の長さである。この二つの間の大きさを中と呼ぶのである。」

鄔波離、世尊に白して曰く、「大徳世尊、〇咀羅僧伽衣(ウッタラソウギャエ)、条数(ジョウスウ)(イクバ)くか有る。」
仏の言はく、「但
(タダ)七条のみ有りて、壇隔(ダンキャク)両長一短(リョウチョウ イッタン)なり。」

鄔波離は、世尊に尋ねました。「世尊よ、ウッタラソウギャ衣の条数はいくつでしょうか。」
仏は答えて、「ウッタラソウギャ衣は七条だけであり、その条は、長い布二枚と短い布一枚で出来ている。」

鄔波離、世尊に白して曰く、「大徳世尊、七条復た幾種か有る。」
仏の言はく、「其
(ソ)れ三品(サンボン)有り、謂く上中下なり。上は三五肘、下は各半肘を減ず。二の内を中と名づく。」

鄔波離は、世尊に尋ねました。「世尊よ、その七条衣は何種類あるのでしょうか。」
仏は答えて、「七条衣には、上中下の三種類がある。上は縦が三肘、横が五肘であり、下はその長さを各々半肘減らしたのものである。この二つの間の大きさを中と呼ぶのである。」

鄔波離、世尊に白して曰く、「大徳世尊、安咀婆娑衣(アンダバシャエ)、条数幾くか有る。」
仏の言はく、「五条有り、壇隔一長一短なり。」

鄔波離は、世尊に尋ねました。「世尊よ、アンダバシャ衣の条数はいくつでしょうか。」
仏は答えて、「五条である。その条は、長い布一枚と短い布一枚で出来ている。」

鄔波離、復た世尊に白して言く、「安咀婆娑衣、幾種か有る。」
仏の言はく、「三有り、謂く上中下なり。上は三五肘、中下前に同じ。」

鄔波離は、また世尊に尋ねました。「アンダバシャ衣は何種類あるのでしょうか。」
仏は答えて、「アンダバシャ衣には、上中下の三種類がある。上は縦が三肘、横が五肘である。中と下は前に説いた通りである。」

仏の言はく、「安咀婆娑衣、復た二種有り。何をか二と為す。一には豎二肘、横五肘。二には豎二、横四なり。

仏は更に言いました。「またアンダバシャ衣には二種類がある。その種類とは、一は縦が二肘で横が五肘のもの、二は縦が二肘で横が四肘のものである。

僧伽胝(ソウギャチ)は、訳して重複衣(ジュウフクエ)と為す。〇咀羅僧伽(ウッタラソウギャ)は、訳して上衣と為す。安咀婆娑(アンダバシャ)は、訳して内衣と為す。又、下衣と云ふ。」

また、ソウギャチは、訳して重複衣いう。ウッタラソウギャは、訳して上衣という。アンダバシャは、訳して内衣、又は下衣という。

又云く、「僧伽梨衣(ソウギャリエ)は、謂く大衣なり。また、入王宮衣(ニュウオウグウエ)、説法衣と云ふ。鬱多羅僧(ウッタラソウ)は、謂く七条衣なり。又、中衣、入衆衣(ニュウシュエ)と云ふ。安陀会(アンダエ)は、謂く五条衣なり。又、小衣、行道作務衣(ギョウドウサムエ)と云ふ。」

また言うことには、「僧伽梨衣(ソウギャチ衣に同じ)は大衣という。また入王宮衣(王宮で説法するときの袈裟)、説法衣(説法する時の袈裟)ともいう。鬱多羅僧(ウッタラソウギャに同じ)は七条衣という。また中衣、入衆衣(衆僧と共に過ごす時の袈裟)ともいう。安陀会(アンダバシャに同じ)は五条衣という。また小衣、行道作務衣(作業する時の衣)ともいう。」と。

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