供養諸仏(3)

(くようしょぶつ)

このほか、そこばくの諸仏を供養しまします。転輪聖王身(テンリンジョウオウシン)としては、かならず四天下(シテンゲ)を統領すべし。供養諸仏の具、まことに豊饒(ホウジョウ)なるべし。

釈尊は昔、この他にも多くの諸仏を供養されました。時に転輪聖王(偉大な統治者)であれば、きっと全世界を統治していて、諸仏を供養する供物は実に豊かであったことでしょう。

もし大転輪王ならば、三千界に王なるべし。そのときの供仏(クブツ)、いまの凡慮はかるべからず。ほとけときましますとも、解了(ゲリョウ)することえがたからん。

もし大転輪王であれば宇宙の王であり、その時の仏の供養は、今の凡人の思慮では計り知ることが出来ません。たとえ仏が説いても理解し難いことでしょう。

仏蔵経浄見品(ブツゾウキョウ ジョウケンボン)第八に云(イハ)く、
仏 舎利弗
(シャリホツ)に告げたまはく、「我 過世(カセ)を念(オモ)ふに、阿耨多羅三藐三菩提(アノクタラサンミャクサンボダイ)を求めて、三十億の仏に値(ア)ひたてまつれり。皆 釈迦牟尼(シャカムニ)と号す。

仏蔵経 浄見品の第八に説かれている。
仏(釈尊)が舎利弗に言われた、「私は過去を思うに、阿耨多羅三藐三菩提(仏の無上の悟り)を求めて、三十億の仏にお会いした。それらは皆、釈迦牟尼という名であった。

我時に皆 転輪聖王と作(ナ)りて、形を尽すまで仏及び諸の弟子に、衣服(エブク) 飲食(オンジキ) 臥具(ガグ) 医薬を供養せり。阿耨多羅三藐三菩提を求めんが為なり。

私は、その時に皆、転輪聖王となって、身体の尽きるまで、仏や多くの弟子の為に、衣服や飲食、臥具、医薬などを供養した。それは阿耨多羅三藐三菩提を求める為であった。

(シカ)るに是の諸仏、我を記して 汝来世に於て当に作仏(サブツ)を得べし と言わず。何を以ての故に、我 有所得(ウショトク)なるを以ての故なり。

しかしこの仏たちは、私を予言して、「お前は来世に仏となるであろう。」とは言われなかった。何故なら、私が利益を求めていたからである。

舎利弗、我 過世を念ふに、八千の仏に値ひたてまつることを得たり。皆 定光(ジョウコウ)と号す。

舎利弗よ、私は過去を思うに、八千の仏にお会いすることが出来た。それらは皆、定光という名であった。

我時に皆 転輪聖王と作りて、形を尽すまで仏及び諸の弟子に、衣服 飲食 臥具 医薬を供養せり。阿耨多羅三藐三菩提を求めんが為なり。

私は、その時に皆、転輪聖王となって、身体の尽きるまで、 仏や多くの弟子の為に、衣服や飲食、臥具、医薬などを供養した。それは阿耨多羅三藐三菩提を求めるためであった。

而るに是の諸仏、我を 汝来世に於て当に作仏を得べし と記せず。何を以ての故に、我 有所得なるを以ての故なり。

しかしこの仏たちは、私に、「お前は来世に仏となるであろう。」とは予言されなかった。何故なら、私が利益を求めていたからである。

舎利弗、我 過世を念ふに、六万の仏に値ひたてまつれり。皆 光明(コウミョウ)と号す。

舎利弗よ、私は過去を思うに、六万の仏にお会いした。それらは皆、光明という名であった。

我時に皆 転輪聖王と作りて、形を尽すまで仏及び諸の弟子に、衣服 飲食 臥具 医薬を供養せり。阿耨多羅三藐三菩提を求めんが為なり。

私は、その時に皆、転輪聖王となって、身体の尽きるまで、仏や多くの弟子の為に、衣服や飲食、臥具、医薬などを供養した。それは阿耨多羅三藐三菩提を求めるためであった。

而るに是の諸仏、亦(マタ)我を 汝来世に於て当に作仏を得べし と記せず。何を以ての故に、我 有所得なるを以ての故なり。

しかしこの仏たちは、又 私に、「お前は来世に仏となるであろう。」とは予言されなかった。何故なら、私が利益を求めていたからである。

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