出家功徳(2)

(マタ)次に、出家して戒を修(シュ)すれば、無量の善律儀(ゼンリツギ) 一切を具足して満ずることを得。是を以ての故に、白衣(ビャクエ)等 応当(マサ)に出家して具足戒を受くべし。

また次に、出家して戒を修めれば、無量の善き生活法のすべてを具足して満たすことができる。このために、在家の人たちは是非出家して その戒を受けるようにしなさい。

復次に、仏法中 出家の法は第一に修し難し。閻浮呿提梵志(エンブカダイボンシ)の舎利弗(シャリホツ)に問ふが如し。
「仏法の中に於いて何者か最も難き。」
舎利弗 答へて曰く、「出家を難しと為す。」

また次に、仏法の中で出家の法は、先ず第一に修め難いものである。これについて、バラモンの閻浮呿提(エンブカダイ)が舎利弗に尋ねている。
バラモン、「仏法の中では何が最も困難ですか。」
舎利弗 答えて、「出家することが困難である。」

又問う、「出家には何等の難きことか有る。」
答へて曰く、「出家は内楽を難しと為す。」
「既に内楽を得ば、復次に何者をか難しと為す。」
「諸の善法を修すること難し。是を以ての故に、応に出家すべし。」

バラモン又問う、「出家の人には どのような困難がありますか。」
舎利弗 答えて、「出家の人は、心の平安を得ることが困難である。」
バラモン、「それでは、心の平安を得れば、次には何が困難ですか。」
舎利弗、 「多くの善行を修めることが困難である。これらのことにより、是非出家をしなさい。」

復次に、若し人 出家する時、魔王驚愁して言く、
「此の人 諸の結使
(ケッシ)薄らぎなん、必ず涅槃(ネハン)を得て、僧宝の数中に堕すべし。」

また次に、もし人が出家する時には、魔王が驚き愁えて言うのである。
「この人は煩悩の束縛が薄いので、必ずや涅槃(煩悩の火を吹き消すこと)を得て、すぐれた僧の仲間に入るであろう。」と。

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